千代の富士

第58代横綱千代の富士貢。力士としては小さい体、度重なる脱臼を克服し、昭和最後の大横綱となりました。優勝回数31回、通算1045勝はどちらも歴代3位の記録。最多連勝記録53連勝も昭和以降では双葉山、白鵬に続く歴代3位の記録です。そして史上最多の通算勝ち星記録を更新(当時)したことで、大相撲史上初めての「国民栄誉賞」授与という栄誉を受けることになります。

昭和とともに

彼が昭和最後の大横綱、と言われる理由がその去り際です。引退した1991年は昭和という時代が終わり、平成という新しい時代が始まった頃でした。その頃の各界には貴花田(後の横綱貴乃花)を筆頭に沢山の若い才能が芽吹いていました。彼らとの一番に敗れた千代の富士は、若い世代へとそのバトンを託し、昭和という時代とともに土俵を去っていったのです。